2016年4月5日(火)、NHKのWEBニュース「News Up」にて、渋谷区議会による意見書提出について取り上げていただきました。
以下、記事本文。
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子どもを性の対象にするな
4月5日 21時49分
水着や下着姿などの少女たちの姿を映したDVDなどが販売されていたり、男性客の求めに応じて女子高校生などが添い寝や散歩などをする「JKビジネス」が子どもの性被害の温床になっているとして、東京の渋谷区議会は国会などに法整備を要請し、4日、受理されました。自治体としては全国で初めてとなるこうした要請はなぜ行われたのでしょうか。
<NPOに寄せられる相談>
電話やメールで性被害の相談を受けている東京のNPO法人「ライトハウス」。ここには、性被害にあったという女性や子どもからのSOSが寄せられています。
去年1年間で、新規に寄せられた未成年からの相談のうち、継続して支援が必要な深刻なケースは18件あり、中には、街頭やインターネットを通じてアイドルやモデルになれると勧誘され、契約したらアダルトビデオへの出演を強要されたというケースもあるということです。
<子どもを守る法改正を>
おととし、国は、子どものわいせつな写真や映像を取り締まる児童ポルノ禁止法を改正し、規制を強化しました。それまであいまいだった「児童ポルノ」の定義について、「子どもの胸など性的な部分を強調し性欲を刺激するような写真や映像など」とし、性欲を満たす目的で所持すること自体も新たに禁止し、罰則も設けました。
こうしたなか、原宿など少女たちが集まる繁華街を抱える東京の渋谷区議会が、先月末、「子どもを性の対象にすることを容認しない法改正を求める意見書」を全会一致で決定し、国会と政府に提出、4日、受理されました。
意見書では、法改正にもかかわらず、ネット上や街では「ジュニアアイドルもの」などとして水着や下着姿などの少女たちの姿を映したDVDなどが公然と販売されていると指摘しています。そのうえで、より幅広く、子どもの心身の健やかな育成を定めた児童福祉法も改正し、改めて18歳未満の子どもを性的対象とする行為を禁止するよう求めています。
<海外からも厳しい意見>
一方、この問題は国連でも取り上げられています。
先月、国連の人権理事会に提出された報告書の中で、性的搾取を助長する、水着や下着姿などの少女たちの姿を映した画像や「JKビジネス」などは禁止するよう日本政府に対して勧告しています。
これに対し、政府は「報告書には、日本の現状について不正確で不十分な記述が含まれている」などとして反論しています。
<子どもたちを守るために>
自治体だけでなく、海外からも批判されているこの問題。NPO法人「ライトハウス」の瀬川愛葵さんは「法律も含め、社会全体で子どもの性の商品化を許さないという環境を作らなければ、子どもの被害はなくならない。4年後にオリンピックを控え、海外からも注目されている今だからこそ、日本政府には、この問題に真剣に取り組んでもらいたい」と話しています。
(NHK News Webより連載)