2016年4月4日(月)の朝日新聞朝刊に、記事「人身取引、昨年26人保護 フィリピン人が最多17人」が掲載され、ライトハウス代表藤原のコメントが紹介されました。以下、記事本文。
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人身取引、昨年26人保護 フィリピン人が最多17人
2016年4月4日 朝日新聞
暴力や詐欺的な手段で働かせる人身取引の被害に遭い、保護された外国人が昨年1年間で26人に上ることがわかった。法務省がまとめた。日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれたジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)と呼ばれる子や母親がだまされて来日した事例が目立った。
保護されたのは女性23人、男性3人。国籍別では、フィリピン17人、タイ8人、スリランカ1人だった。法務省が政府のガイドラインに従って帰国を支援したほか、不法残留の11人に在留特別許可を与えた。
フィリピン人の被害をめぐっては従来、歌手やダンサー名目で来日した女性が飲食店でホステスとして働かされる例が多かった。法改正でJFCが父親の認知で日本国籍を取得できるようになったため、JFCやその母親らの被害が増えたという。昨年2~3月にはフィリピンクラブの経営者がJFCの母親を不法に就労させていた事件が岐阜県で発覚した。
NPO法人「人身取引被害者サポートセンター ライトハウス」によると、JFC関連の相談は5年ほど前から寄せられるようになったという。ホステスとして働かされ、給料から生活費が引かれて残金はわずかというケースが多く、売春をノルマとされた人もいたという。藤原志帆子代表は「日本は人身取引と認められる範囲が狭く、表立って訴えられない人も多い。被害者と認められるまでも時間がかかり、保護の対策が不十分」と話す。
国連の女子差別撤廃委員会が3月に公表した日本への最終見解でも、人身取引に関連して、労働や性的搾取の被害者がいる状況への懸念が盛り込まれている。(金子元希)